今回訪問した吉備の国には鬼退治伝説がある。朝鮮半島からの移住者で温羅(うら)という鬼がいて住民を苦しめた。その鬼を退治してこの地を平定するのが大和朝廷から派遣された吉備津彦命(きびつひこのみこと)であります。これは桃太郎伝説のモデルだそうです。そしてこの大吉備津彦大神(神となった吉備津彦命)を祀るのが先日話題に取り上げた吉備津神社です。
この吉備津神社の西方にある楯築(たてつき)遺跡はこの戦いで吉備津彦命が温羅の矢を防ぐために「楯」を「築」いたという伝説もある。楯築遺跡は、最近の研究では、弥生時代後期に吉備地方をまとめ上げた吉備の一大勢力の墓と考えられている。

楯築遺跡頂上の石の遺跡は主に三個の平らな巨石が円状に並び、一つの囲まれた空間を形成している。ストーンサークルとも見て取れる。先の伝説のようにどれも平たい石で「楯」のような形をしている。見学したのは本年の11月21日、晴天の正午少し前、ほぼ南中時に近い時刻であったが、中でももっとも平らで大きい石が南中した太陽の光を真正面から浴び、金色のごとく輝いていた。写真を見ていただくとわかりますが、この一石だけが妙に明るく光り、この場にちょっと不思議な世界をつくりだしています。祭祀と深い関係があるように考えらます。(才本)

正面から見た三つの石、中央の石が南中した太陽のひかりを浴び輝いている

横から見ると楯のように平たい石である