奈良日本建築ランドスケープ庭アトリエひとりごと
慈光院 大刈込は驚きの仕掛け
正面の庭から視線を右に移すと
刈込は直角的、直線的なデザインから
いくつかの曲線的な円形刈込を碁石のように
ランダムに並べるデザインに変わります

さらに視線を右に進むと背の低い刈込が徐々に大きくなっていく
塀の高さを超して隣の庭まで伸びていきます
小さい刈込から大刈込に変わっていくプロセスが
あまりにも自然で円滑にデザインされ気が付きません

門塀と大刈込の接点の詳細を見ると(下写真)
門塀が大刈込にめり込んでいるものの
大刈込が塀を超えて塀の外まで続いていることがわかります

下写真は門の外から大刈込を見た写真で

さらに下の写真は
楼門から慈光院境内に入ったところで
正面に見えるのが書院
右手の大きな曲面の刈込が大刈込の端部です
この楼門に一歩足を踏み入れた時
右手の大刈込があることで
その先にある山並みなどの景観や雰囲気を
視線的に 意識的に遮断している
これは書院に入ったときの驚きを何倍にも
増幅させようという仕掛けです
この仕掛けによりこの庭の価値が
大きくアップしていると思います
