旧西川家住宅は江戸中期の建築といわれ

この町並みで唯一重要文化財に指定されている

現在は市が所有し近江八幡市立資料館となり

1階はくまなく見学することができる

この町の典型的な商家で街路側には店と

「粋な黒塀 見越しの松」と歌謡曲でも

歌われた前庭をそなえている

 

(下)街路側からみた西川家住宅

外見は決して華美さを求めているとは言えない風情

見越しの松とその向こうにミセがある

ミセの建具は全面開放できる構造となっている

正面の山がかつて八幡山城があった八幡山

下は当資料館のチラシのアイソメ図をベースとして

ゾーニングで色分けをしたもの

日本的なすべての部屋が繋がるプラニングであるが

色分けでわかるように

ミセゾーン、接客ゾーン、生活ゾーンと機能によるゾーニングがされている

街路からの入り口は三か所あり中央にはミセの入り口

街路から向かって左の 前庭からの入り口は客用

プライベートな生活ゾーンは向かって右にあり

外部の通り土間を迂回して台所土間から入る

 

下は生活用の入り口

見学者もここから入る

 

見越しの松を内部から見る

客用の入り口と通行用の飛び石が見える

 

大きな座敷と 街路とは反対側のプライベートな庭を見る

 

下は生活部分の入り口部分

台所と兼ねるため吹き抜けで

煙り出しや採光のための開口窓がある

生活部分はこの右手を中心に広がる

正面の「大」の暖簾の向こうがミセの間

手前が生活空間

暖簾が結界の役割を果たしている

 

(下)土間の先は食事など生活の中心部

その先に見える自然光は見越しの松がある前庭

暖簾より先(左側)はミセ

 

ミセ空間

「大」の字は屋号の大文字屋の商標

 

(下)近江商人は蚊帳や畳表を行商し富を築いた

近江の蚊帳は天正年間に八幡商人が

奈良蚊帳地の売れ行きに目をつけ

それを当地で織らせて八幡蚊帳と売り歩いたのを

起源とすると説明されている