尾﨑士郎は「人生劇場」で有名な作家で

西尾市吉良町上横須賀の出身である

現在の岡崎高校から早稲田大学へ進んでいる

その記念館が旧糟谷邸の隣にある

そこには昭和29年(士郎56歳のころ)

東京で建てた書斎が移築されている

現在の建物の方角が当初と同じであったかは不明だが

掃出しの大きなガラス窓は

たっぷりと陽光を受け入れ

外にいるような感覚さえある

気持ちよさそうな開口部である

 

室内空間は

母屋と 天井の低い、奥行1間の広縁を

はっきりと分けている

広縁の天井は自然素材を生かした仕上で

リラックスできる空間である

母屋では執筆活動

下屋は安楽椅子で休息をする場所か

本人の考えによるものであろう

日本の住宅建築は

戦後のものであっても

人の生活が前提としてつくられている