對龍山荘は

建築と作庭に優れた技術者伊集院兼常の旧居を

呉服商の市田彌一郎がこの地を譲り受けたあと

1905(明治38)年の現在の景観が完成する

作庭は植治として有名な七代小川治兵衛で

名勝指定されている

建築はもともと聚遠(じゅおん)亭と茶室があり

棟梁島田藤吉が對龍台や居間棟を

増改築して明治38年頃に完成した

2024年には建物全体が重要文化財に指定された

現在はニトリホールディンスの所有となり

ほぼいつでも見学可能(有償)で

うれしいことに庭及び建築内外の撮影がゆるされている

 

下は参観の際に配布される案内チラシ

庭は左(北)は大滝と大池(この池には名称がないため便宜的にこう呼んだ)

を中心とした風景をつくり

左(南)は小滝から始まるせせらぎの流れを中心とした風景をつくる

 

(下)大池越しに對龍台やその後ろに土蔵を見る

 

 

對龍台近景

 

下は對龍台の室内から見た光景

対岸の中央に景色として水車を配し

すぐ右には大滝の一部が見える

池には和舟を浮かべ情景をつくる

 

下は水面近くから大池周辺の庭を見る

存在感のある大滝を中心とし景観がつくられ

その美しさに、またスケールの大きさに

息をのむほどの驚きを感じる

この景色は、茶事では

待合から茶室に向かう客が見る景色でもある

接待を受けた多く客がさぞかし

感動したのではないだろうか

 

(下写真)待合を出て先ほどの大滝の景色を見ながら

池の中の飛び石を渡り

對龍台建築の下をくぐり

流れ蹲踞を経て茶室に向かう

この露地でも大胆な手法に驚かされるでだろう

露地をすすむと小川の流れの中におかれた蹲踞があり

手水で清めて茶室に向かう

 

 

 

<参考 この周辺の植治の作庭時期>

1894(明治27)年34歳 並河靖之邸庭園作庭、

無鄰菴作庭

1895(明治28)年35歳 平安神宮神苑西神苑、中神苑造園工事着手

1905(明治38)年45歳 對龍山荘作庭

可有荘作庭着手

1917(大正6)年57歳 碧雲荘作庭着手