琵琶湖疏水は1885(明治18)年に着工し

1890(明治23)年に完成した

その間この水路閣は1888(明治21)年に完成

これが最近国宝に指定された

名刹南禅寺の境内をかすめてつくられ

本坊と南禅院の間を割り込むように通されている

南禅寺には歴史的な文化遺産が山とあり

その名刹の境内に

デザインも素材も異国的な

レンガ積み造のアーチ構造体ができることに対しては

いろいろな意見が出たであろう

しかし完成後135年の現在においては

水路閣は古色をおび

また美しくデザインされているからこそ

南禅寺境内の景観や環境ともよく調和している

また成長した木々が緩衝材の役割をし

水路閣が見え隠れして

あからさまに見えることもなく

美しい環境となる要因となっている

 

(下写真)水路閣は南禅寺の境内に割り込んで建造された

手前が南禅寺側で

アーチの向こうに見えるのは

南禅寺発祥の地といわれる南禅院

水路閣は南禅寺の境内を二分しているものの

構造体に大きなアーチ型穴を開けることで

二分した境内の視界を繋げ

何とか一体感を保持している

さらに繁茂する樹林が巨大な存在感を和らげている

 

(下写真)

水路閣の下から南禅寺境内への見通し

 

水路閣の支柱は中心をアーチ状穴でくりぬいている

その支柱の穴が何枚も重なり

遠くの先までパースペクティブに

見通せる光景はなかなか絵になる光景である

上に上がり水路を見ることができる

この水は南禅寺周辺の

多くの庭園を潤している

 

付近にあった説明用の縦看板から転写

建設時の設計図

精緻なデザインが施されている