江戸時代初期の建築と考えられている

三渓園 聴秋閣(重要文化財)

「秋の声を聴く」楼閣という名があるが

新緑に囲まれた姿も素晴らしい

正面(正面は北を向いている)と両側面は

1階、2階ともにすべての柱間に紙障子を建込み

大変開放的な建築である

障子を開放したり、取り外したりすれば

正面と両側面の外部景色がパノラマのように

見渡されあたかも外部にいるような

 錯覚にとらわれるであろう

また建築は周辺の美しい自然環境に

囲まれた景色の一部として

美しい境致をつくることにも貢献している

また内部空間から考えれば

周辺の自然環境とともにあることができる

ここには自然環境と建築が一つになった世界がある

日本独自の風土や自然環境があるからこそ

生まれた創造物ではないだろうか

 

 

聴秋閣の外観は見る方角により

印象が大きく変わる

下写真は背面から見た外観

1階部分が大きく広がり

2階部分が小さくみえ山のような姿となる

1階の屋根は千鳥破風というべきか

入母屋造というべきか

派手さがあるデザインである

(下写真)

建物正面をみる

さまざまなデザインが試みられ

江戸初期特有の数寄屋デザインである

窓などの開口部のデザインも自由奔放で

花頭型あり、軍配型あり

欄間には吹き寄せた対角線状の桟があり

デザインを楽しんでいるように見える

 

下写真には軍配型の窓がみえる

またここでの1階の屋根は平面型を素直に受け入れ

形式にこだわらない自由デザインがされている

 

下は中から見た写真

純白の障子紙に切り取られた緑が目に染みる

欄間では外にある対角線状の

吹き寄せ格子の影がうっすらと浮かび上がる

この写真でそのデザインの意図も理解できる

シンプルな中に数寄屋の艶感が感じられる

 

下写真

ここでも欄間障子の外側に

縦横の三重吹き寄せ格子で飾られている

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