滋賀県湖南三山の一つで

前回紹介の西寺の常楽寺のすぐ近くにある長寿寺

これも鎌倉前期建立の国宝である

湖東にある西明寺とほぼ同じ時期であるが

大きさは桁行(正面の柱間の数)5間で

西明寺の桁行7間に比べ小規模である

礼堂の天井がサス構造でつくられ

正堂の前に礼堂を付加した双堂を

一つの大きな屋根で覆った形である

 

その痕跡を残すところがある

下は本堂の側面を見ているが

左が前側、右が背面であるが

欄間小壁の壁仕上に注目すると

左2間(前側)板張りで礼堂

右3間が漆喰壁の白壁部分が正堂であり

明らかにつくり方が異なっている

もともと後ろ側の正堂だけがあり

後に前側2間の礼堂を増築した

ということがわかる

右手が正面壁 左手が側面壁

湖東の西明寺は欄間小壁の壁仕上はすべて漆喰の白壁とし

軽妙なデザインの蟇股を際立たせている

外壁小壁のデザインは4面とも同じで

4面廂として同時代につくられたことがわかる