日本建築ランドスケープ京都環境・景観庭アトリエひとりごと
渉成園 漱枕居 透け透けの空間
渉成園の漱枕居(そうちんきょ)は
1865(慶応1)年頃再建された
印月池に乗り出すように建てられている
下は対岸から見た遠景
二方が四本建(9尺)の明障子に
囲まれているところが四畳半の部屋
その左側の掃出しの雨戸が建てられた1間部分は3畳間の部屋である
その向こう側に土間があるという室構成

明障子の下には窓台を兼ねたの中敷居があり
その下から床までの間には引き違いの板戸がある
それらの建具を開放して池側を見て撮影した写真が
西澤文隆著「西澤文隆の仕事(一) 透ける」に掲載されている
池側の視界を遮る障害物が一切見えない錯覚に陥る
実際は紙障子もあるのだが「正に透け透けの空間である」
と西澤氏は言うくらいに見通しがよく気持ちよい空間となる

これらの写真は2006年の4月撮影
水面から菖蒲の葉が伸びている
また周辺には睡蓮の葉が浮かんでいる
6月ころにはこれらが一気に開花する
その時期にこれらの建具を開放して
見てみたいものである
