對龍山荘の建築は

前所有者のとき聚遠亭と茶室があり

市田彌一郎が譲り受けたあとの1905(明治38)年頃

對龍台や居間棟を増改築して完成した

現在重要文化財に指定されている

 

下写真は對龍台の内部

付書院や地袋がある書院の外側には奥行一間の入側廊下があり

畳も敷かれ庭を見るためのスペースとしている

外回りの軸組は壁が一切なくガラス戸で開放され

パノラマ的な景観を切り取っている

 

下写真は入側廊下で室内外をみる

ここでは180度以上の視角で庭を眺望することができる

(下写真)ここから見る景観は

大池を中心とした 植治の池泉庭園

大滝からは常に大量の水が流れおち

水車小屋や係留された和舟

植栽や石などが景色を彩る

ここからはこの庭一番の景観を見せている

(下写真)欄干は本来落下防止のためではあるが

庭の景色を見る妨げになってはいけない

さらにこの場の雰囲気に合い

気持ちを高めるデザイン性もほしい

そういう課題に答えて

軽快で味のあるデザインとなっていると思う

軒裏に見える吹き寄せ疎垂木とも

密度やデザインの上でしっくりと調和している

改めて對龍台の外観をみる

大屋根の軒の出に比べると

庇の軒の出は目測で1.5倍ほど

それが無柱で浮いているような構造となっている

居間棟2階から北東方向を見る

そこから遠方に目をやると

緑の丘に浮かぶように建つ塔の姿がある

これは黒谷金戒光明寺の文殊塔(三重塔)

京都では建築文化財が比較的多く残り

このような歴史的な景観がまだ保てているところがある

続いて同じ居間棟2階の南東方向を見る

おのずとこの丸窓に

そしてそこからみえる景色に目が行く

 

(下写真)丸窓からは庭の南方への視界が広がり

植治の流れの庭を見ることができる

この丸型の窓は景観のビューポイントを強調し

視線がおのずからそちらに引き込まれていく

ここの欄干は先ほどの對龍台のデザインとは異なり

丸窓に合わせ求心的なデザインがなされている

 

外から見た円窓

右下にある平屋部分が聚遠亭

 

(下写真)居間棟の東南角からみる

東から南まで広くひらかれ

流れの庭が大パノラマで見られるとともに

日の出から昼頃までたっぷりと陽光に浴びることができる

ここでは居間と庭がつながり

日常的な生活の中で庭を楽んだことでしょう

(下写真)聚遠亭と庭

土庇が室内と外部を取り持つ

茶室内部

3畳小間 天井は全体が片流れ

ただし手前畳は襖で仕切られた外にある

 

 

 

門構え