現在の名古屋市市政資料館は

旧名古屋控訴院・地方裁判所・区裁判所として

大正11(1922)年に完成し

現在重要文化財にしてされている

大日本帝国憲法発布にともない

近代裁判制度が確立されたあと

全国八カ所につくられた控訴院で

最古の建物ということである

設計や監理は司法省営繕課の役人が担当している

ということでこの頃には

このような西欧風の建築を

国の省庁がつくる能力を得ていた

ただ日本には西欧に追いつくという

大きな使命があったわけで

当時の西欧の建築様式を参考にしている

そのころの西欧建築界は

古きよき時代の様式を模倣するのが主流となり

ギリシャ、ローマ、ゴシック、ルネサンス、

バロックなど 過去の時代の建築様式が

リバイバルとして模倣されることが多い

その流れに乗りここでは

バロックの模倣である

「ネオ・バロック様式」が採用された

 

 

下写真は中央大階段ホール

この大階段は手すりも石造でバロック的なダイナミックなフォルムをもつ

 

この空間を魅力的にしている要因として

ステンドグラスがあげられる

天井のステンドグラスのために

天空からの自然採光のために

屋根にはガラス製のトップライトを設けている

また正面の壁にはその背面に小さな中庭を設け

そこからステンドグラスのための採光をとる

ステンドグラスを設けるのが前提で

建築的な多大な工夫・苦労がされており

設計者たちはこのステンドグラスを

何としてもやりたかったことと思える

色合いがとても良いブルー系がメインだが

微妙に異なるブルーが何色もつかわれ

その取り合わせが清楚でとても美しい

その中に赤など暖色系を効果的に加え

デザインとしても素敵である

 

北面壁にあるステンドグラス

 

 

天井のステンドグラス

ここもブルー系がメインで使われ

数少ないが程よく暖色系色が付加され

清楚でありながら暖かさも感じる美しさをもっている

3階フロアから階段ホールを見る