なごや建築まつり 最後はなごやテレビ塔
名古屋テレビ塔は日本で最初の電波塔である
戦後の1954(昭和29)年に完成し
高さ180mの鉄骨トラス構造の塔である
2022年12月に国の重要文化財に指定されたが
愛知県下では最も新しい重要文化財建造物となった
設計者は構造家の内藤多仲である
彼は「タワー6兄弟」とよばれる塔を世に残したが
名古屋テレビ塔を最初に手掛けた後、
大阪通天閣(1956年、高さ108m)、別府タワー(1957年、90m)、
札幌テレビ塔(1957年、147.2m)、東京タワー(1958年、333m)、
博多ポートタワー(1964,100m)を建てている
日本では1956から1958年までの間にたくさんの塔がつくられているが
名古屋テレビ塔はそれらに先立つものであり価値は高い
さらにデザインとしてもプロポーションが大変美しい
地上では4本の脚でしっかりと立ち
空に向かって徐々に細くなり
頂部にある細いアンテナに繋がるデザインに破綻はない
また上下展望台のフロアはバランスよい位置に置き
搭全体を引き締めている
地上の4本の脚の中央には建物を置かず
その先の街の景色にまで視線を引き込むことで
町並みに連続性をもたらしている
これは町並みを重視したデザインといえる


設計当時の図面
昔懐かしい青図で複写されている

搭の左に建てられたガラス張りの建物は
ホテルや展望室へのアクセスのために付加されたもの

テレビ塔の塔心直下の通り抜けは
何ともいえぬワクワク感を感じる
展望室床を十字に交差する
コンクリートのアーチ梁で支えている

下部展望室から南をみる
栄の街は大きく変化しいく
栄らしさを生かして
名駅に負けぬ街づくりができることを願っている
