日本建築ランドスケープ京都環境・景観庭アトリエひとりごと
庭が錦の衣を羽織っているように見えてくる
的を得た表現であると思う
旧来の伝統的日本建築のよさはそこにあると思う
以前は窓の形が異なっていたか?
日露戦争開戦直前の会議がここで行われたという
京都東山 無鄰菴で至福のひととき
昨日12月12日重森千靑先生と無鄰菴をみる
当然のことながら紅葉の盛期は過ぎ
モミジの赤く色づい葉はすでにほとんど落ちている
しかしこのタイミングに二階から庭を見た時
えもいわれぬ美しさを感じた
丘の芝生は枯れて 太陽の光加減で
枯れ色となったり白っぽく感じたり その変化が美しい
実際は起伏はある丘だが
あるときは平坦に見えたりもする
そして水の動きできらきら光る平坦なせせらぎ
その中に低木の植え込みの紅葉や常緑の緑が現実に引き戻してくれる
また高さが15㎝ほどしかないせせらぎの滝だが
その音はこの二階までほぼ減衰せずに響いてくるようにも感じる
そしてもう一つ
それらの景色を覆い隠すように
モミジが最後の力をふりしぼって葉をとどめている


わずかな葉を残すモミジを通して庭をみる
錦秋という言葉にふさわしく
庭が錦の衣を羽織っているように見えてくる 
二階の邸内から手すりを通して庭をみる
手すりの高さがあげられたことは見る側にとっては残念だが
安全のためにはやむを得ないか・・・・
増設部分をもう少し目立たなくする手は
あるような気がする
せせらぎの滝の近景
岩の間から幾筋かの細い小さな滝が落ちる
それぞれの音はカルテットが音楽をかなでるようだ
と重森先生は言う
的を得た表現であると思う
建築はその環境に置かれた状況での評価が大切
ここではそれぞれの表現は建築も庭も独り歩きすることなく
お互いにたたえ合って慎み深く存在している
旧来の伝統的日本建築のよさはそこにあると思う
洋館の中も見ることができる
下は一階の展示コーナー
レンガ積み構造でまぐさがいくつかあり
現在の窓とはズレがあり
以前は窓の形が異なっていたか?
二階の無鄰菴会議が行われた場も見られる
1903(明治36)年4月ここのオーナーの元老山県有朋のほか
伊藤博文、桂太郎、小村寿太郎の四人のよって
日露戦争開戦直前の会議がここで行われたという
