吉備津神社の境内に御釜殿(1612年、重文)という建物がある。吉備津神社の拝殿の横からつづく長い回廊の先にある。
話が横道にそれるが、この回廊(1800年前後、岡山県指定文化財)は敷地の勾配に合わせて、屋根がゆったりとしたフリーハンド曲線を描き美しい建物である。ただ床がモルタルの鏝押さえ(?)のようで趣がないのが残念だ。

回廊

回廊と本殿を見上げる

この御釜殿で今でも行われているのが「鳴釜の神事」という奇妙な神事ですが、これは祭神である吉備津彦命が温羅を退治したことに由来するということです。温羅が戦いに敗れ首をはねられたのちもその大声で唸ったそうだが、それを鎮めるために命(みこと)が夢のお告げを信じて始めたとのことが起源であるそうだ。内部は火を焚くためか煤で真っ黒で不気味さが増す。残念ながら撮影禁止。先日訪問した際にも巫女(正式には阿曽女といって温羅が寵愛した女性の末裔らしい)が居て常駐している。(才本)

御釜殿